第1回 切っても切っても切れない現代社会と化学物質
毒物研究家として来る日も来る日も、化学物質の毒性を解明する事に明け暮れていた私。科学物質とは、まず代表的なのが薬品類。これには文字通りの医薬品も数多いのですが、工業製品を製造する際に使われる様々な工業薬品があります。
その他あげればきりがないのですが、私たちの身近な生活で触れるものに、各種の食品添加物や、食品容器類、化粧品、消毒・殺菌剤、殺虫剤、洗剤・洗浄剤、化学繊維、プラスチック類、染料、顔料、溶剤、接着剤…。
ふだん口にする米や野菜づくりでは、農薬や除草剤、肥料に使われていますし、畜産や養殖漁業などでも飼料その他でいろいろ使われています。
現代人が日常生活を送るにあたって、あらゆる場面で、あらゆる物に、なんらかの形で化学物質が使われた痕跡のないものを探すのが難しいぐらい、私たちは化学物質と切っても切れない関係の中で暮らしています。
しかも、1000万種類以上とも言われる化学物質の中で、毒性検査が行われているのはせいぜい1〜2%程度。その環境にありながら、化学物質の増加は歯止めが効かないどころかスピードが増すばかりです。
毒性調査とは、ある一点からのみではなく、他の視点からも徹底的に実施すべきなのです。
私が毒性調査の職に就いてお世話になっていた久保田重孝医学博士(日本産業衛生学会会長)は「どんな化学物質にも有毒作用があるから、ある角度から見た毒性試験の結果を全てだと思ったら大きな間違いをするよ」と警告なさっていましたが、毒物研究家を長年続けた事で、これは痛いほどに理解させられました。
無害だと思っていたものが突然使用禁止になったりなんて事はざらにある話です。
私はしばらくして久保田先生の薦めで、世界に通用する化学物質の有害性の調査ができる国の研究機関「日本バイオアッセイ研究センター」を設立する準備段階から携わる事になりました。
この研究所の設立目的は、新しい化学物質を取り扱う前にその毒性が分かれば、被害ないしは災害を起こす前に使用禁止にしたり、または使用量を制限したり、さらには空気中に飛散する量を制限する事もできる、そうして人災や災害を未然に防ごうという、そのための研究資料を用意し整えるものでした。
このバイオアッセイに身を置いていて、実感として「どんな化学物質にも有毒作用がある」ことを痛感させられたのがフロンガスであり、1・1・1トリクロロエタンでした。久保田先生の警鐘は正に的中したのです。
続く。
その他あげればきりがないのですが、私たちの身近な生活で触れるものに、各種の食品添加物や、食品容器類、化粧品、消毒・殺菌剤、殺虫剤、洗剤・洗浄剤、化学繊維、プラスチック類、染料、顔料、溶剤、接着剤…。
ふだん口にする米や野菜づくりでは、農薬や除草剤、肥料に使われていますし、畜産や養殖漁業などでも飼料その他でいろいろ使われています。
現代人が日常生活を送るにあたって、あらゆる場面で、あらゆる物に、なんらかの形で化学物質が使われた痕跡のないものを探すのが難しいぐらい、私たちは化学物質と切っても切れない関係の中で暮らしています。
しかも、1000万種類以上とも言われる化学物質の中で、毒性検査が行われているのはせいぜい1〜2%程度。その環境にありながら、化学物質の増加は歯止めが効かないどころかスピードが増すばかりです。
毒性調査とは、ある一点からのみではなく、他の視点からも徹底的に実施すべきなのです。
私が毒性調査の職に就いてお世話になっていた久保田重孝医学博士(日本産業衛生学会会長)は「どんな化学物質にも有毒作用があるから、ある角度から見た毒性試験の結果を全てだと思ったら大きな間違いをするよ」と警告なさっていましたが、毒物研究家を長年続けた事で、これは痛いほどに理解させられました。
無害だと思っていたものが突然使用禁止になったりなんて事はざらにある話です。
私はしばらくして久保田先生の薦めで、世界に通用する化学物質の有害性の調査ができる国の研究機関「日本バイオアッセイ研究センター」を設立する準備段階から携わる事になりました。
この研究所の設立目的は、新しい化学物質を取り扱う前にその毒性が分かれば、被害ないしは災害を起こす前に使用禁止にしたり、または使用量を制限したり、さらには空気中に飛散する量を制限する事もできる、そうして人災や災害を未然に防ごうという、そのための研究資料を用意し整えるものでした。
このバイオアッセイに身を置いていて、実感として「どんな化学物質にも有毒作用がある」ことを痛感させられたのがフロンガスであり、1・1・1トリクロロエタンでした。久保田先生の警鐘は正に的中したのです。
続く。

